空売り比率という言葉をよく聞きますよね。
ですが、「どんな意味!?」という方も多いと思います。
私もしっかりとした知識がないまま使っていたため、ここで「空売り比率」についてしっかりまとめてみようと思います。
✔空売り比率の意味、計算方法
✔ランキングとチャートを組み合わせた儲かる個別銘柄選別方法
✔過去最高は?過去データからみる空売り比率の推移
なども解説していきますよ。
・空売り比率とは、一定の値における空売りの割合。
・データによって計算方法が違うため、確認が大切。
・相場全体の空売り比率で地合いを予測。
・個別銘柄の空売り比率でトレードタイミングをみる。
空売り比率を使いこなして、儲かる銘柄を探しましょう。
「空売り比率」とは?その意味と計算方法に迫る!
空売り比率とは、簡単にいえば
一定の値における空売りの割合
のことをいいます。
これには複数の計算式があるため、まずは一番オフィシャルな「東証」が発表しているものを見てみましょう。
「東証式」空売り比率とは
東証が発表している空売り比率の計算方法を式にすると
空売り代金額 ÷ 全取引代金額
※単位は代金
となります。
これは
✔相場全体で約定した売り代金のうち、空売りがどの程度の割合だったか
という指標です。
なお、空売りには
「価格規制のあるもの」
「価格規制がないもの」
の2種類があります。
価格規制については、他の記事でも詳しくお伝えしますが、ここではざっくりと
・価格規制あり=「機関投資家などによる空売り」
・価格規制なし=「個人投資家による空売り」
と考えていきます。
東証ではこの2つについて別々に空売り比率を公表しています。
「空売り集計」
から見ることが出来るので、確認してみましょう。
たとえば、2018年9月21日の空売り集計がこちらです。
このように表示されています。
月毎の集計値もあり、アナリストの方はよく参考にされています。
この分析方法や注意点については、後で詳しくお伝えしますね。
それ以外の空売り比率とは
実は同じ「空売り比率」という言葉を使っていながら、異なる計算式を使っている場合があります。
たとえば
空売りされた株式数 ÷ 発行済み株式数
で空売り比率を計算している方法もあります。
特にネット上の空売り比率ランキングでは、個別銘柄に着目するためにこの計算方法がとられることが多いです。
例を見てみましょう。
以下は空売りネットさんの空売り比率ランキングです。
計算式が違うことが分かりますね。
同じ「空売り比率」という言葉でも、計算方法が異なれば分析結果も異なります。
この見方や注意点についてもあとで詳しくお伝えします。
空売り比率は40、50が目安?東証式で日経平均推移や地合いを予測!過去最高は〇!
では実際にこの空売り比率をトレードの中でどのように扱っていくのかを見てみましょう。
上で述べたように、東証式の空売り比率は相場全体の約定代金に占める空売りの割合です。
そして空売りの中には大雑把に
・機関投資家の空売り(価格規制あり)
・個人投資家の空売り(価格規制なし)
の2つがあります。
一般的に機関投資家のほうが情報が早く、専門的なスタッフも揃っていると言われています。
そのため、機関投資家の空売り推移が増加傾向の場合、専門家が悲観的になる要素が存在している可能性があります。
一方、個人投資家による空売りが増えているにも関わらず、機関投資家による空売り比率が伸びていなければ注意が必要です。
個人投資家は場合によって掲示板などの噂、雰囲気で売買している可能性があります。
機関投資家がその心理を逆手に取り、空売りを踏み上げて利益を得る場合があるのがその理由です。
このような動きは市場全体にも反映されます。
そのため、東証式の空売り比率を見る際には、機関投資家が多い「価格規制あり」の空売り比率に注意しましょう。
なお、この空売り比率が50あたりになると、相場の底打ちが意識されてきます。
ちなみに、過去最高の空売り比率は2018年3月23日の50.38%です。(2018年9月現在)
その日の日経平均は20,618円、なんと前日から974円安でした。
翌日はそれよりも安く始まるものの、しっかりと大幅高となり、そこから5月21日の23,002までほぼ右肩上がりで上昇していきました。
空売りは基本的には買い戻しが予定されているので、空売り比率が高過ぎればその後の買い戻し・およびその期待で日経平均株価が反発する可能性が高まります。
地合いにも影響してくる部分ですので、ぜひ計測をしていきましょう。
空売り比率ランキングとチャートで個別銘柄の株価を予測。過去データも見よう!
次に、ネットなどにある空売り比率ランキングの使い方をみていきましょう。
なぜランキングでは東証式と異なる計算方法が多いのか。
ネット上のランキングでは、上で見たように
空売りされた株式数 ÷ 発行済み株式数
という計算方法のことが多いです。
先ほども見たように、空売りは将来の買い戻しが予定されていますから、空売り比率が高まるほど株価上昇が期待できます。
この計算式による割合は、発行済株式総数のうち買い(=株価上昇)の予約を示しているようなものです。
✔「全取引のうち、どの程度が空売りか」(東証式)
より
✔「発行済み株式総数のうち、どの程度が将来買い戻されるか」
の方がより直接的に株価の予測ができるため、こちらが使われているのですね。
個別銘柄における空売り比率の目安は?
一般的に、個別銘柄の空売り比率は20〜30で推移するといわれています。
そのため、30を超えると買い戻しによる反発が期待できます。
一方、20を切ると株価上昇がピークアウトすると考えられています。
もっとも、個別銘柄によって異なるという点に注意です。
賃借銘柄か否かによって、空売り比率は異なりますし、業界・セクターによっても異なります。
そのため、過去データをしっかりと確認し、「どのように推移しているか」をみることが大切です。
過去データと比較して空売り比率が上昇していれば、
✔「打診買い」
を検討し、低下していれば
✔「打診売り」
を入れてみる、というような使い方ができます。
空売り比率のみの判断はNG!チャートをしっかり確認!
とはいえ、空売り比率のみでエントリーやエグジットの判断をするのは避けましょう。
空売り比率が高くとも、反発狙いの買いをターゲットにした売り崩しでさらに株価が下落することもあります。
株価下落で反発狙いの買いが入る
↓
下落が収まらず、損切売りで更に下落
↓
その反発を狙った買いが・・・
↓
ぶん投げ
↓
異常な暴落
ということもしばしばあります。
安易なエントリーは大変危険です。
・落ちているナイフは掴むな
という格言もありますから、空売り比率は要素の一つと考えましょう。
チャートをしっかりと見、リスクの低いところでエントリーすることが大切です。
まとめ
以上、空売り比率についてお伝えしてきました。
・空売り比率とは、一定の値における空売りの割合。
・データによって計算方法が違うため、確認が大切。
・相場全体の空売り比率で地合いを予測。
・個別銘柄の空売り比率でトレードタイミングをみる。
個人投資家が負けずに資産を形成していくためには、感情や噂に流されず、データを解析することが大切です。
この空売り比率の記事が、投資家の皆さんの一助となれば幸いです!