監視銘柄が空売り規制(価格規制)になったらしい!
「もう空売りできないの?」
「翌日は解除される?」
「株価・値動きはどうなる?」
など疑問が浮かびますよね。
ここではそんな空売り規制(価格規制)についての悩みにしっかりとお答えしていきますよ!
記事3秒まとめ
空売り規制(価格規制)とは、一定の価格を下回る値段での空売りが禁止されること
空売り規制によって株価が大きく動くこともあります。
50単元などの条件や違反した場合のペナルティ、影響と効果などについてみていきましょう。
これで解決!空売り規制(価格規制)の意義と条件。
空売り規制(価格規制)とは?その意義に迫る!
空売り規制とは、
一定の価格を下回る値段での空売りが禁止されること
です。
空売りは、持っていない株を証券会社から借りて売り、後で買い戻すことによって差額を利益とする取引きです。
そして空売り規制とは、その名の通り自由に空売りできないということです。
なぜこのような規制が存在するのでしょうか。
これは過去に、機関投資家やファンドが過度な空売りを仕掛けたことが原因です。
彼らは豊富な資金を背景に空売りを大量注文し、株価を暴落させることで利益を得ていました。
それによって相場が荒れ、退場してしまう個人投資家も増えていたのです。
投機的な空売りは市場への信頼を失わせます。
そこで、
投機的な空売りを防ぐ
ために空売り規制が創設されたのです。
ではこの空売り規制は、どのようなときに適用されるのでしょうか。
空売り規制(価格規制)の条件とは?「50単元」「トリガー」「個人」「適用除外」の謎!
空売り規制は2013年に緩和されました。
ここでは最新の条件についてお伝えさせていただきますね。
空売り規制の条件には大きく2つの段階があります。
それは簡単に言うと
①トリガー抵触
②一定価格以下+51単元以上
です。
一つ一つ見てみましょう。
①トリガー抵触
まず空売り規制が発動するためには、
当該銘柄が、当日基準価格と比較して10%以上株価が下落している
ことが必要です。
当日基準価格は基本的には
前日の終値
ですが、前日が特別気配が表示されて終了していた場合、変化することもあります。
この基準価格と株価を比べ、10%以上下落していると「トリガー発動」となり、第1の条件がクリアされます。
②一定価格以下+51単元以上
トリガー抵触銘柄では、
・51単元以上を
・一定価格以下で
空売りすることが禁止されます。
まず、単元とは
株式売買ができる単位
のことをいい、現在は100株のことが多いです。
そのため、1単元が100株の銘柄で51単元とは「5100株」のことを指します。
なお、51単元以上という条件は「個人投資家」のみです。
機関投資家・ファンドなど、適格機関投資家は1単元の空売りから禁止されています。
では、「一定価格以下」とは具体的にいくらなのでしょうか。
①株価上昇局面と
②株価下落局面
で異なるため、別々に見ていきましょう。
①株価上昇局面
まず直前の株価から上昇している場合、
その価格未満の空売り注文ができない
とされています。
具体的にいうと
株価が635円から636円に上がった局面では、636円未満で空売り注文を出すことができないのです。
図で見てみましょう。
株価が上昇したときは、最新の価格(636円)の空売りが許されるということですね。
②株価下落局面
次に、直前の株価から下落している場合、
その価格以下の空売り注文ができない
とされています。
具体的に言うと
株価が637円から636円に下がった局面では、636円以下の空売り注文ができません。
これも図で見てみましょう。
株価が下落しているときは、最新価格でも空売りができないということですね。
空売りによる更なる下落を防ぐという法の目的が垣間見えますね。
適用除外とは?個人投資家はどうなる?
条件に関し、最後に適用除外についてみていきましょう。
価格規制も適用除外が定められています。
・発行日取引
・立会外取引
・有価証券オプション取引との裁定取引、ヘッジ取引
などがその例です。
ですが一番大切なのが・・・
機関投資家以外(個人等)の信用売り(50単位以内に限る)
です。
ようは、
個人で
50単元まで
であれば、どの値段でも空売りが出来るということです。
また、複数の口座で分割して空売りなどをしても、総合的にみて違法とされる可能性があります。
ですが、50単元以内なら空売り規制がかからないのは事実です。
チャンスの場合は、空売りも検討してみてくださいね。
空売り規制(価格規制)の期間はいつまで?翌日は?解除の条件を探る。
この空売り規制ですが、場中にトリガー抵触した瞬間に適用されます。
そしてその期間は
翌日の立合終了まで
とされています。
たとえば9月1日にトリガー抵触した場合は、9月2日(休場でなければ)の15時まで規制が続きます。
期間はそこまでで、翌々日である3日には解除されます。
もっとも2日にさらに10%以上下落した場合は、再び期間が始まり、3日15時までが期間となります。
空売り規制(価格規制)銘柄の株価・値動きはどうなる?規制の効果・影響をみる!
ではこのような空売り規制銘柄の株価はどのような値動きになるのでしょうか。
もちろん相場で確実なことはありませんから、「絶対にこうなる!」ということはできません。
ですが、空売り規制が入れば機関投資家が強引な空売りで株価を下げることは難しくなります。
トリガーに抵触している時点でかなり株価も下がっているため、下げのスピードが弱まることが期待できます。
あくまで一つの要素として考え、総合的な判断から取引をしてくださいね。
空売り規制(価格規制)のまとめ
以上、空売り規制(価格規制)についてお伝えしました。
空売りは下落場面でも利益が出る重要な取引です。
ですが、このような規制を知らずに安易に取引をすると前科がついてしまう可能性もあります。
ぜひリーガルリスクも回避しながら、楽しい投資ライフを送ってくださいね。